なめらかな日々

水のように生きたい

運命の人

去年のバレンタインがすごく印象的だったのは人生ではじめて告白をしてみた日だったから。 「こんなに天気いいんだからどっかいこうか」 かんぺきに玉砕したけれどバレンタインデイ当日はお膳立てしたみたいに晴れていて、湾岸沿いに車を走らせながら海を見…

長崎エスケープ

いま、長崎に行きたい。私の父は行ったこともない長野県に憧れがあり、長野に定住したいと熱望する。いったいどんな見解かしらないが、私はたぶんそれと似た思いを長崎に対して抱いている。すごくつよい思いだ。 一年以上前に駅前でジャルジャルがお笑いライ…

2020.12.31

私が20年ちょっと生きて知ったのは弱そうな人間は搾取されるという事実だった。 そしてすべてが円環をなしている。 人に対しての態度は鏡になって自分に必ず反射する。 誰かを傷つけた分だけ私は等分に傷ついている。 少し生まれるタイミングが違ったら、わ…

異世界からの着信だったらいいのにな

街を歩いていると、たまに公衆電話がぬらりと私の前に現れる。いつもは無意識に存在を無視しているところなのに、「落書きや張り紙をすると法律で罰せられます」という但し書きまでまじまじと見てしまった。子供の頃、姉たちと遊びに出かけるときは親にテレ…

つくりものみたい

好きなアイドルグループの初期メンバーがまたひとりグループを旅立った。あのアイドルグループがいつの間にか私の中で大きくなっていたことを知ったのはドキュメンタリー映画を観たときだった。今は去りし神話的存在の絶対的センターが人知れず苦しみを抱え…

ダイバーシティとか

定期的にしんどくなるのは多分しんどい外的要因があるからだ。何も感じなければ辛くならない、だから私は感情を殺したい。 珍しく電車を使ったのだけれど、線路の魔力というものはかなり強い。足が吸い込まれそうになる。実際ホームにすべり込む電車のスピー…

無常のなかで

人の粘膜のにおいとぼってりした肉の重み、早くなったり遅くなったりする鼓動、呼吸する空気の流れる音、熱気を帯びた体温。 私が知覚しうるかぎりの情報を外界から受け取ることで、ああこの人は生きているのだと感じる。同時に自分が生きていることを思い出…

うめた

友だちを土のなかに埋めた 、 私が水槽の前に立つと、陶器でできた隠れ家から顔をのぞかせて、餌をもらいにそよそよと浮き上がってくる姿が愛らしかった 友だちの墓場はブルーベリーの木の横にきめた スコップで土のなかをあばいて、水草のクッションの上に…

ニッキ

今日した会話は愛みたいだった。愛じゃないけど愛っぽかった。未来のはなしをしていい雰囲気がながれてた。うそみたいなきづかいと高い声の温度は夏が近づいている気配。 AVIOTというワイヤレスイヤホンを買ってからテンションがずっとたかい。 みためを小綺…

はる

シュールでばかげたオリジナル・ポルノを一緒に見ながら笑ってまたねおやすみって電話を切った後、こんな関係も……まあ……嫌いじゃないかな(ハート)ってなる自分が嫌いだったり、LOMO LC-Aというカメラがほしかったり、YouTube Liveできいた町屋良平の声が好き…

関西、海に浮かんでみる

大阪、京都、兵庫をめぐり、帰ってきた。 旅の記憶を思い起こしながら、荷崩しをていねいにおこなっていく。 車で港へ向かい、夕刻船に乗る。水色、黄色、ピンクと連なった空の色がありえないくらい綺麗だった。この船が明日の8時、大阪の港に着く。乗り物の…

愛さざめいて

水って落ち着く、 ゆらりゆらり、ざわざわしてるむねの中の音をかき消すように流線をからだに記して、ひざこぞうや肩の孤島をひんやりさせる。 じきに水になっていく、うそみたいに冷たくなっていく、ふるえている、わたしの心臓とわたしをつつむ液体が、併…

いつもどおりに生活している

今週は小説を書いていた。TBSで土曜21:00に放映される「世界ふしぎ発見!」が無性に見たくてしょうがなかった。最近はまともに見ていないのに。 小説を書くにあたって、よく言葉を調べる。創作意欲やアイデアが触発されるような音楽を聴く、そのためにパソコ…

虚ろな夜、外は雨

雨降りの夜だ。家の二階の窓から、遠くにひかる繁華街の姦しさを目に写す。そこでは私の知っている人や知らない人たちが笑ったり手をつないだり道路に唾を吐いたりしている、見えないけど確かにある。もっと近くで見ようと、窓際にある木製の棚に体をぴった…

Time Passages

うすい黄色の地に朱やピンクの花の柄が散らされた振り袖を着て繁華街を歩くと、通りすがりの外国人に食い入るような目で見られ、少し気恥ずかしいような気持ちだった。コスプレ衣装みたいなものは昔からテンションが上がる。私は内なる変身願望をそなえてい…

夜の輪郭を思い出せなくなるとき

ゆあみする泉の底の百合花二十の夏をうつくしと見ぬ ふしぎなひととふしぎな時間。おかしな夜の闇に浮かびあがる、うすいデニールのタイツと太腿の感触、冷たい横顔にのぞくまつ毛。拡散する灯に横たわる影が、わたしの違和感を色濃くさせる。私はなぜここに…

寒さのなかで耽る時間、師走を縫って

ゆびさきに冷気が乗る。気候の変動に抗えず、両手をこすり合わせる。可視化された吐息を「はっ」と吐く。小学生のときもやっていたこと。キタキツネみたいなふわふわのストールを首に巻きつけると、夏に比べて伸びた髪が視界に入る。染めたっきり染め直しも…

お風呂のなかで食べる蜜柑みたいな都会のつめたさ

自転車に乗っていると、向こう側から人がぽつぽつと歩いてきた。同年代くらいの女子。すれ違うちょっと前くらいにふっと相手の顔を見ると、相手も私を見ていた。何か神妙な顔をしていた。記憶を手繰りよせて、どこかで見たような……と考えていると、相手は破…

女性性をうざがりながら受容する人生。

数日前、ツイッターでこんな意見を目にした。 昔えげつない下ネタを連発する男友達に「いい加減やめてよ」って言ったら「え、だってお前もバイトのとき今日生理〜とか言ってたじゃん」って返されてどういうこと?って思考停止したことがある。私的には体調が…

お酒を飲むとゆううつになる

葡萄サワー。ジュースのような感覚で飲み下してしまった。グラスを持ち、顎を高く上げながら、しまったと思った。頬や耳が熱を持ってじんじんと喚き出し、鏡を見れば頬のみならず瞼までもが紅く、つくづく飲酒に向いていない体である。首に手を当てるとそこ…

2019/10/4 偶然

20:30ごろだったか、学校から帰り道につづく繁華街を歩いていると、よく見た顔が目の前をふらふらと横切っていった。高い背にふわふわと綿菓子のように乗った白髪頭、なぜか焼けて浅黒い顔と老齢のためか細めたような目。すぐに思い出した、あれはK覧先生だ…

2019/10/01 G・ガルシア=マルケス

短編の小説を書きあげて一息ついた。やっと解放されたと思った。出来上がった原稿を推敲していると非常にくだらないものに見えてきた。実際くだらない。ラストまでの持っていき方が少々強引な気がするし、執筆中ずっと川上未映子「すべて真夜中の恋人たち」…

読書について

読書をする、それを趣味にするということは、根暗で恥ずかしいことだと思っていた。昔。 去年なんか、全然読んでない。図書館で借りた本の履歴を見たら、学術書含めてもせいぜい60冊といったところだった。それによって、私はあまりに女性らしすぎる文体が苦…

2019/9/16 学校図書館

・久しぶりに学校の図書館へ赴いた。田中慎弥のエッセイ『これからもそうだ。』を蔵書検索すると見つかったので、スマートフォンを片手に随筆欄を探した。学校で収蔵されている蔵書のバリエーションは、そこまで悪質なものではないが良くもない。近現代や美…

2019/9/13 昔の記憶

出先で0くんを見た。 母親らしき中年女性とファストフード店の順番待ちをしていたが、その姿はカップルに思えた。相変わらず素晴らしい。立ち姿が気品にあふれている。今も絵を描くことは続けているのだろうか。あのときに思いを伝えてみればよかったと思う…

東京再訪-9/3、渋谷

ちょっと日記を書くのが疲れたので、この日は断片的に書こうと思う。慣例として書いた備忘録のようなものであることを了承して欲しい。 ホテルを出る日。AM7:30に頑張って起床。準備時間は例のごとく、音楽をかける。このときかけた、SportifyでディグったCH…

幼いころの奇行

バスに揺られながら下に目をやると、私の黒いリュックサックに虫がよちよちと這っていた。見ればダンゴムシの赤ちゃんだった。 これがゾウリムシだったら、私はこわごわと手で払いのけてしまったかもしれない。私にとってダンゴムシとは、特別なゆえんがある…

東京再訪-9/2、青梅・立川

起床、8:30。この日の服装はなかなか気に入っている。merlotのチャイナ風のボタンがついたシンプルな白いトップスに、WEGOという雰囲気がうるさい服屋で買ったデニムのミニスカート、それから黒いヒール。鞄はmarimekkoの紺のショルダーバッグを肩にかけた。…

夏フェスのうがった見方

自分がインドア人間であることを再確認しに、2daysの音楽フェスへ行った。 ライブへ行ったことのある大好きなバンドや、ちょっと気になっているバンドまでいろいろなアーティストを見れた。雑感をここに記そう。 --- 9/7 --- 地元で開催されるフェスとして…

東京再訪- 8/31, 9/1、横浜と鎌倉散策

2019/8/31 ヨコハマ 厚木でのアルバイトを終えて夕方、横浜駅でゆうまさんと待ち合わせ。会うのは二回目だから不安になることはないと楽観視していたが、それに反して強い緊張が走る。うつむいていると前方からやってきて、目の前で止まった人影。Tシャツと…