なめらかな日々

水のように生きたい

お酒を飲むとゆううつになる

葡萄サワー。ジュースのような感覚で飲み下してしまった。グラスを持ち、顎を高く上げながら、しまったと思った。頬や耳が熱を持ってじんじんと喚き出し、鏡を見れば頬のみならず瞼までもが紅く、つくづく飲酒に向いていない体である。首に手を当てるとそこが一番熱くて、じきに風に当てられたような寒気が襲いかかってきた。

そして、メインディッシュとでも言うように「ゆううつ」が重い鐘を鳴らしてやってくる。今回のゆううつは過去への後悔。高校のとき文芸部に入り、小説家志望の男子生徒と親しくなっておけばよかった、というもうどうしようもないことをいじいじと考え、顔を赤らめる。過去に対して私はなんて無力なんだろう、と考え、自暴自棄になり、やがて思考は「死」への憧れに至る。そんなものを考えてもしょうがないことは知っている。現実はそこにあり、私が自死を選ぶほど根性がないという事実もよく知っている。生きていることはこんなにも苦しいのに、私が死ぬことによって親族が悲しむというのは二重の悲劇であるように思う。そう思いながらまた酒を煽る。