なめらかな日々

水のように生きたい

2020-01-01から1年間の記事一覧

2020.12.31

私が20年ちょっと生きて知ったのは弱そうな人間は搾取されるという事実だった。 そしてすべてが円環をなしている。 人に対しての態度は鏡になって自分に必ず反射する。 誰かを傷つけた分だけ私は等分に傷ついている。 少し生まれるタイミングが違ったら、わ…

異世界からの着信だったらいいのにな

街を歩いていると、たまに公衆電話がぬらりと私の前に現れる。いつもは無意識に存在を無視しているところなのに、「落書きや張り紙をすると法律で罰せられます」という但し書きまでまじまじと見てしまった。子供の頃、姉たちと遊びに出かけるときは親にテレ…

つくりものみたい

好きなアイドルグループの初期メンバーがまたひとりグループを旅立った。あのアイドルグループがいつの間にか私の中で大きくなっていたことを知ったのはドキュメンタリー映画を観たときだった。今は去りし神話的存在の絶対的センターが人知れず苦しみを抱え…

ダイバーシティとか

定期的にしんどくなるのは多分しんどい外的要因があるからだ。何も感じなければ辛くならない、だから私は感情を殺したい。 珍しく電車を使ったのだけれど、線路の魔力というものはかなり強い。足が吸い込まれそうになる。実際ホームにすべり込む電車のスピー…

無常のなかで

人の粘膜のにおいとぼってりした肉の重み、早くなったり遅くなったりする鼓動、呼吸する空気の流れる音、熱気を帯びた体温。 私が知覚しうるかぎりの情報を外界から受け取ることで、ああこの人は生きているのだと感じる。同時に自分が生きていることを思い出…

うめた

友だちを土のなかに埋めた 、 私が水槽の前に立つと、陶器でできた隠れ家から顔をのぞかせて、餌をもらいにそよそよと浮き上がってくる姿が愛らしかった 友だちの墓場はブルーベリーの木の横にきめた スコップで土のなかをあばいて、水草のクッションの上に…

ニッキ

今日した会話は愛みたいだった。愛じゃないけど愛っぽかった。未来のはなしをしていい雰囲気がながれてた。うそみたいなきづかいと高い声の温度は夏が近づいている気配。 AVIOTというワイヤレスイヤホンを買ってからテンションがずっとたかい。 みためを小綺…

はる

シュールでばかげたオリジナル・ポルノを一緒に見ながら笑ってまたねおやすみって電話を切った後、こんな関係も……まあ……嫌いじゃないかな(ハート)ってなる自分が嫌いだったり、LOMO LC-Aというカメラがほしかったり、YouTube Liveできいた町屋良平の声が好き…

関西、海に浮かんでみる

大阪、京都、兵庫をめぐり、帰ってきた。 旅の記憶を思い起こしながら、荷崩しをていねいにおこなっていく。 車で港へ向かい、夕刻船に乗る。水色、黄色、ピンクと連なった空の色がありえないくらい綺麗だった。この船が明日の8時、大阪の港に着く。乗り物の…

愛さざめいて

水って落ち着く、 ゆらりゆらり、ざわざわしてるむねの中の音をかき消すように流線をからだに記して、ひざこぞうや肩の孤島をひんやりさせる。 じきに水になっていく、うそみたいに冷たくなっていく、ふるえている、わたしの心臓とわたしをつつむ液体が、併…

いつもどおりに生活している

今週は小説を書いていた。TBSで土曜21:00に放映される「世界ふしぎ発見!」が無性に見たくてしょうがなかった。最近はまともに見ていないのに。 小説を書くにあたって、よく言葉を調べる。創作意欲やアイデアが触発されるような音楽を聴く、そのためにパソコ…

虚ろな夜、外は雨

雨降りの夜だ。家の二階の窓から、遠くにひかる繁華街の姦しさを目に写す。そこでは私の知っている人や知らない人たちが笑ったり手をつないだり道路に唾を吐いたりしている、見えないけど確かにある。もっと近くで見ようと、窓際にある木製の棚に体をぴった…

Time Passages

うすい黄色の地に朱やピンクの花の柄が散らされた振り袖を着て繁華街を歩くと、通りすがりの外国人に食い入るような目で見られ、少し気恥ずかしいような気持ちだった。コスプレ衣装みたいなものは昔からテンションが上がる。私は内なる変身願望をそなえてい…