なめらかな日々

水のように生きたい

覚醒する余韻

長い旅を終えた。他人の時間を頂いて、いろんなことを話した。いつか、また、なんていつ来るかわからないし、どんなに望んだとしても永遠に来ないのかもしれないし、とても信じられないようなことだが、私は明日死に絶えているかもしれない。信じがたい真実…

随筆に対しての所感

随筆をひたすらに投稿するブログを始めて3ヶ月経った。なにも制約などないから気楽な仕事だ。 自分の過去の記事を読み返してみた。ところどころ、表現が下手で読んでいて不安になるような文章が散見されたが、全体的にはそんなに悪くないな、とも思えた。生…

読書遍歴

「読書垢」を自称される方を拝見していると、自分はやはり読書の幅が狭いなと思わずにはいられない。ささやかながら、生活のそばには本がある。 すこし自分の記憶をたどってみようと思う。 小学生の頃はずっと何かしらを読んでいた。 内容はすべて抜けている…

💐

"あなたを崇拝しています。全身全霊で。あなたは私の運命であり、永遠であり、人生そのものです" Simone de Beauvoir

希薄化する''わたし''

自分の名前を呼ぶ癖が抜けない。 私の下の名前はサラという。英語にすると「Sarah」で、「h」がついているのがかっこいいと定評がある。それはどうでもいいとして、昔から末っ子という立場にあるからかなんだかわからないが、一人称が幼稚なまま固定されてい…

夜を抜ければ

時刻はAM2:20。仄かな灯りがついた部屋で卓上のヘッドホンを手に取り、装着する。室内灯のリモコンを操作すると部屋が真っ暗になって落ち着いた。亡霊のように現る携帯の光を煩わしく感じながら、サブスクリプションのアプリを開いて曲をタップし、まぶたを…

夏に読む本

夏の楽しみ。 夏休みに入ってから、目を凝らすように読んでいた詩集を読み終わり、次いで綿矢りさ「ウォーク・イン・クローゼット」も2時間半ほどで読了した。 残るは市の図書館と学校の図書館で借り揃えたこの人たち。何から手を付けようか迷っている。うっ…

いますきないろは

パープル

C.A.M.P.

2泊3日の自然生活を終えた。 福岡から二時間ほどで着く、大分県の久住へ。メンバーは父、母、姉、私。主なイベントは登山、温泉、天体観測(肉眼)。綺麗な写真がたくさん撮れた。 キャンプ場についてからは日差しは炎天下そのものだったけれど、山中だから…

"Nothing is permanent"

街のネオンよりもたおやかで 夜に灯すランプよりも仄暗い星たちよ「どうか変わらないで そのままでいて」私の願いを聞いているようで胡乱な彼ら やがて暁に隠れてしまうのかまっすぐに輝く星々の 美しさを忘れてしまうのが怖いんだ 永遠なんて幻で 時間なん…

ゆううつの頻度

もう1.5ヶ月ほどひどく落ち込んでいない。ということは、ゆううつの波がもうすぐ訪れるはずだ。そのときは静かに部屋の布団に寝そべり、暗闇のなか眼を開く。何も見えない。携帯の液晶も、己の体さえも。そうして存在を消すことが、ゆううつな自分を肯定する…

視線に生かされる

ごくたまに、人に見つけられる。 中学時代通っていた塾で事務をやっていた丸眼鏡の彼女は、なんにもしていないしむしろ変なところしか見せていないのに私のことをかなり好意的に見てくれていた。高校時代には友人から、同性の友達がバレーをやっているとき(…

先生の描く絵が好きだった

影を残した緑が似合っていた 水彩画みたいに儚く、絵の具が混じり合って染みていく様子はわたしの心のよう おだやかな曲線をえがく幾何学模様を胸のうちに並べて でも 作品をおがむことは一度もなかった 後ろすがたを船に浮かべて、わたしはキャンバスの海を…

感謝(驚)

長い長い夜の尊さを忘れぬよう ひとものすべてに感謝し思慕しよう ひとびとと出会った日を忘れぬよう かつての日々の産物をながめよう やがてすべてが溶けるのだとしても わたしに淡い色の影を残してくれる 来たる日を楽しみに 感謝 (驚) Fishmans ロック ¥2…

キャッチ通りの彼

イヤホンが壊れた。半年ほど愛用していたイヤホンが。アイボリーが気に入っていて音質もそこそこ良く、断線に気づいたときは悲しかった。致し方がない。なぜ壊れてしまったのだろう、と考えてみると、キャッチ通りでいかつい兄ちゃんが話しかけてきた直後に…

くるった人びと

新興宗教を信望する人。人形と会話する人。親でも殺されたかのように店員にクレームをつけている人。自分で産んだ子供を殺す人。 人はたまに狂気的な一面を見せる。私にとって狂気とは、例えば怒りである。他人が怒り狂って暴力的な言葉遣いをしているとざわ…

夏夜の湿り

夏の夜が、ふいに近づいてくる。自転車に乗って夜道を走る。するとまるで世界にわたし一人みたいに感じた。たっぷりと湿気を含んだ風は心地よい手触りでわたしに触れてきて、風切り音はごうごうと私の心を揺らす。セーラー服を着たわたしはあの日、自転車を…

「この人じゃないとダメ」なんてことはない

過去にわずかばかり経験のある恋愛について思い馳せてみれば、私は愚かであったというほかない。 恋の絶頂期にあった時はいつ何時も「彼」のことを思い浮かべていた。次はどこに行こうとか、約束の日になんの服を着ようとか、際限の無い妄想がひっきりなしに…

食べることってそんなにいいものなのか

皆カップルや友人同士でパスタやサイドメニューを食べている。生きるために食べる人間の、何と滑稽で何と醜い事よ。私は三歩譲ってエスプレッソを飲んでいるのだ。せめて飲み物主食であればいいものを。彼らは何故、がつがつと物を口に入れるのだろう。 「AM…

金原ひとみの新境地。「アタラクシア」所感

金原ひとみ『アタラクシア』を読了した。アタラクシア作者: 金原ひとみ出版社/メーカー: 集英社発売日: 2019/05/24メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 本を読んでいて楽しいと、果実の甘い蜜だけを吸いとって堪能しているような官能的な感覚になる…

Live,Live,Live

梅雨が猛威を振るう6月、今月は私にとってライブ月間だ。なにせほぼ毎週アーティストのライブの予定がある。数えると5本もチケットを買っていた。アルバイトをしていない身のため、冬にやった模試採点のバイトやコールセンターのオペレーターをして貯金し…

描画体験と挫折

一週間ほどブログを更新していなかったので、近況をはじめに。 夏、東京に行く計画を立てている。3年来のファンである、都心で活躍するインディーズバンドの新譜をひっさげたリリースツアーワンマンが気になっていたところ、ライブ仲間に誘われたことをきっ…

自然にふれる

2019/05/26/17:21現在、私の手は小刻みに震えている。中程度の疲労と、一日への満足感がある。Macbookのキーボードを打つ手が震えているのは、きっと運動の反動だろうと思う。 何の事は無い、私の習慣でないことを今日ひとりでやってみた。近所の山にひとり…

まちびと

〘まちびと〙 学校から出ている高速バスに乗って繁華街に到着したころ。時計を見てあの時間のバスに間に合う、と思ったけれど、バス停へ向かう足は重くゆっくりだった。 あ、今この信号走って渡りきれば、きっと乗れるな。頭の何処かで時間の計算をしている…

美術館と思案

先週の土曜日のことである。友達と美術館に行き、思いつくままに喋り、楽しい時間を過ごした。思いついたので、ここであの一日を振り返らせて欲しい。美術館には常設展を見に行った。二年ほど改装中だった市の美術館がようやくオープンした記念展であり、実…